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退去費用の内訳を覚えておこう

貸主が費用負担するもの
賃貸物件の持ち主である貸主が負担する費用は、経年劣化や通常消耗によるものです。 例えば家具の設置跡、壁紙の日焼け、畳の変色といった、通常使用の範囲内で起きる劣化は、貸主負担となります。 ですので、退去費用として支払う必要はありません。借主が費用負担するもの
賃貸物件を借りていた借主が負担する範囲は、故意・過失によるものです。 例えばタバコによって壁が変色したり匂いがついたりすることは過失に含まれます。 他にも以下のように、常識の範囲を超えた住み方・使い方は故意・過失に分類されます。
- 台所の油汚れ
- 床の大きなすり傷
- 家屋内の落書き
- 放置によって生じたカビ
汚部屋は借主負担となる理由

汚部屋から生まれた匂い
汚部屋も様々ですが、食べ物等の生ゴミを長く放置していると、部屋に異臭が充満します。 それだけではなく、異臭が付着してしまい、ゴミを撤去しただけでは匂いが消えなくなります。 この場合もまた、故意・過失によるものとして退去費用として請求されることでしょう。虫による被害
汚部屋は虫の温床です。 生ごみだけではなく、食べかすは虫の大好物なので、汚部屋には虫が住みつきやすいです。 そして虫は、場合によっては部屋にも被害をもたらします。 木材を食べる虫であれば部屋の木材部分が食べられる可能性もあります。 虫がフンをすることで汚れになります。 長く放置されることで異臭にもなるでしょう。 これらもまた、故意・過失によるものなので退去費用として請求されることでしょう。腐食による被害
汚部屋の中に水分がある場合、湿度によってカビたり、あるいはカビで弱まっている木材に虫が巣食うなどして腐食する可能性があります。 この場合も故意・過失なので退去費用を請求される可能性が高いです。汚部屋からの退去費用を抑えるための方法

落とせる汚れを落とす
汚れに関しては落とせるものと落とせないものがあります。 落とせないものに関しては仕方ないですが、落とせるものに関しては自力で落としましょう。 但し、あまりにも力強くこすったり、あるいは部屋の材質と合わない洗剤を使用して部屋を傷つけたりすることのないよう気を付けましょう。 もし部屋を傷つけてしまうとかえって退去費用が高くなります。徹底的に換気する
長らく汚部屋の状態を続けていると、異臭が充満しています。 住居人は汚部屋の異臭に慣れてしまうので、異臭に気付きません。 そのた徹底的に換気をしましょう。 また、友人や知人を部屋に呼び、異臭がしないのかを確認してもらいましょう。余計なことはしない方が良い
匂いに関しては、余計なことはしない方が良いでしょう。 例えば臭いを消したいからと部屋に芳香剤を撒くのは控えましょう。 よりひどい異臭となりかねません。小細工をしない
傷があると退去費用は高くなります。 長らく汚部屋だったことで、知らない間に傷がついている可能性もあります。 そのため、傷を隠そうと表面処理などの小細工をと考える人もいますが、原状復帰が面倒になるだけで、退去費用が高くなるリスクもあります。 傷に関しては手の施しようがありませんので、小細工をせず、素直に申告しましょう。 むしろ素直に申告し、心証を良くした方が退去費用が安くなる可能性があります。退去費用が高いと思った時にすべき行動

見積もりを出してもらおう
貸主に口頭で説明してもらうだけではなく、見積もりを出してもらいましょう。 どこにどれだけの費用がかかっているのか、明確な費用を見れば納得できます。 また、見積もりを見て疑問に思う部分があれば尋ねてみましょう。 この点も見積もりを出してもらわなければできません。 退去時はバタバタするので、見積もりを忘れてしまうこともあります。 ですが、必ず見積もりで料金の詳細を確認しましょう。敷金で足りていないかを確認する
2020年4月1日、賃貸契約に関する債権規定が改正されました。 その結果、敷金が定義されることになりました。 これまで敷金は商習慣であって、法律で定義されたものではありませんでしたが、法改正によって敷金の役割が定義されることになりました。 退去費用もまずは敷金から弁済することになりますので、敷金から出ているのかを確認しましょう。敷金は借主に返還するもの
これまで敷金は、少々曖昧なものでした。 退去時に戻ってこなかったというケースも多いことでしょう。 しかし法改正により、敷金は借主に返還するものだと定義されました。 高額の退去費用を請求された場合、敷金から出ているかを確認しておきましょう。法律事務所に相談する
法律の問題は法律の専門家に相談するのも手です。 法律事務所、弁護士に相談し、問題点がないのか確認してみましょう。 法的見地に基いた正確なアドバイスをもらえますが、費用も掛かります。 専門的知識を頂戴できる費用になるので、場合によってはそのまま退去費用を支払った方が安上がりになるケースもあります。 高額な退去費用で、支払いに抵抗がある場合には相談してみるのも手です。意見が分かれるケースもある
法律は実際に判例がなければ、弁護士ではあっても法律の文言から解釈しなければなりません。 そのため、弁護士によって意見が分かれるケースもあります。 様々な意見を聞く必要があるので、一人だけではなく様々な弁護士に相談することで、大まかな意見が見えてくることでしょう。汚部屋の退去費用を抑えるための方法を覚えておこう
