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ゴミ屋敷への行政代執行とは?

ゴミ屋敷への行政代執行は「最後の手段」
ゴミ屋敷への行政代執行による片付けが可能になりましたが、行政代執行は行政側としても最終手段です。 行政代執行の前には以前同様、十分時間をかけて説得を行います。 再三に渡る説得や要請に応じない場合にのみ、行政代執行となります。 しかし、行政代執行の際には、審査会を開くなどしてきちんと検証しなければなりません。 行政としては、最終的には強制的なゴミ屋敷の撤去が可能になったものの、実際に行政代執行に至るまでには越えるべきハードルが多々あります。ゴミ屋敷行政代執行の費用は住人が支払う?
行政代執行は行政が強制的にゴミ屋敷の撤去を行うものです。 ゴミ屋敷に悩まされている近隣の住人にとってはありがたいことです。 また、ゴミ屋敷になっている自宅をどうにかしたいと思っていても、自力では解決できなかった住人にとっても行政代執行は願ったりかなったりに見えるかもしれません。 しかし気を付けるべき点があります。 それは行政代執行に要する費用です。 行政代執行は行政が指揮を取って行うものですが、費用は行政負担ではありません。 行政代執行にかかった費用は、後日行政がゴミ屋敷の住人に請求します。 つまり、税金から賄われるわけではなく、ゴミ屋敷の住人が負担するのです。 行政がゴミ屋敷をきれいにしてくれて、かつ費用も支払う必要がない、と勘違いしている方も多いので気をつけましょう。 実は、行政代執行に要した費用はゴミ屋敷住人が行政に直接支払います。 行政代執行にて請求される費用は課税と同じく、行政による徴収の対象です。 仮に督促されても支払いに応じない場合、財産差し押さえの対象となりえます。ゴミ屋敷への行政代執行の費用は?

ゴミ屋敷への行政代執行費用は行政の言い値
ゴミ屋敷への行政代執行の費用は、ゴミ屋敷住人負担であり、かつ基本的に行政の「言い値」になるのは避けられません。 行政からゴミ屋敷住人に、どの業者を手配するのか、どれだけの費用が見込まれるのか事前の相談はありません。 行政代執行が決定すると、行政はゴミ屋敷の強制撤去のために必要な事務上の手続きを始めますが、住人に事細かな手順や費用の説明は行わないのが普通です。 行政代執行にてゴミ屋敷を撤去すると後日費用が請求されますが、まさに「言い値」です。 高いと抗議したところで、期日までに支払わなければ督促が届きます。 事前に見積もりをもらって「もっと安い業者を探す」という選択肢は行政代執行の場合はありません。 つまりゴミ屋敷の住人にとって、行政代執行は行政から提示された費用を支払うしかないのです。実際に行われたゴミ屋敷への行政代執行の事例

全国初・京都のゴミ屋敷への行政代執行
2015年、京都にて全国初となるゴミ屋敷への行政代執行が行われました。 行政代執行前に120回以上の面談や訪問指導を行ったものの、改善の兆しが見られないことから行政代執行が行われました。 このときは、45リットルゴミ袋167袋分のゴミが出たとのことです。 住人から最初の相談があったのは2009年だったようです。 つまり、行政代執行まで6年の時間を必要としました。 このケースからも、行政代執行と言っても簡単に行えるわけではないことが伺えます。神奈川県横須賀市のゴミ屋敷への行政代執行事例
2018年、神奈川県横須賀市のゴミ屋敷で行政代執行が行われました。 行政代執行前に行政側は100回以上の訪問・勧告を行ったものの改善の兆しが見えませんでした。 結果として、まずは住人の氏名が公表されました。 それでも改善しなかったことで行政代執行へと踏み切られたようです。愛知県蒲郡市のゴミ屋敷への行政代執行
2021年、愛知県蒲郡市でもゴミ屋敷への行政代執行が行われました。 既に20年前からゴミ屋敷となっていたようで、市による再三の撤去要請も無視していたことから、行政代執行が行われたようです。福島県のゴミ屋敷への行政代執行
福島県では過去5度ほど行政代執行が行われています。 福島県の公式ホームページでは、5度の事案について費用や回収額を公表しています。 費用が最も低かった行政代執行は2004年に行われた相馬郡での案件で264万4,950円です。 逆に最も費用が高かったのは2002年から2003年にかけて双葉郡広野町にて行われた行政代執行で、費用は4億6,067万4,900円でした。 ちなみに過去5度行われた福島県の行政代執行において、全額費用を回収できたのは1件のみです。 他の4件に関しては費用未回収で、2004年に相馬郡で執行された行政代執行の費用に関しては1円も回収できていません。ゴミ屋敷の行政代執行費用を考えると早めの解決が必須
